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経営者インタビュー

経営者に聞く 「日本航空 シンガポール支店 土橋健太郎支店長」 トップインタビュー

ASEAN経営者インタビュー

「経営者に聞く」インタビューシリーズ

SPEEDA ASEANでは、ASEAN市場で挑戦している皆さまを、経済情報とコミュニティ作りを通してご支援しています。「経営者に聞く」インタビューシリーズでは、ASEAN地域で事業展開する日系企業の代表者の方々に、ご自身の経営哲学や信念、海外事業経営の醍醐味(挑戦の難しさと面白さ)をお伺いし、ご本人と会社の魅力を読者の方々にお届けする企画です。
今回は、ASEAN経済の専門家である川端隆史氏とSPEEDAの内藤靖統が、日本航空シンガポール支店長の土橋健太郎氏にお話を伺いました。

川端:シンガポール着任前はどのような業務をされていらっしゃったのでしょうか。

土橋:私はフランクフルト支店で2010年まで3年半ほど営業を担当した後、本社に戻り国際提携部でのアメリカン航空などの航空会社との提携業務を経て、2018年7月にシンガポールに着任しました。シンガポール支店長を拝命した背景としては、旅客販売の経験が長かったことが関係していると受け止めています。一般的な赴任期間は3年から4年ぐらいですが、2020年からのコロナ禍の影響があり、少し長めの勤務となっています。

川端:シンガポールの支店長として赴任が決まったとき、どのように感じられましたか。

土橋私はアメリカで生まれ育ち、フランクフルトに在勤するなど、欧米圏の経験はありました。アジア圏については、仕事でアジア各国の航空会社との提携業務などで関わりはありましたが、実際に現地に住み、直接業務をするというのは、今回のシンガポール支店長としての仕事が初めてです。未知ではありましたが、非常にワクワクした気持ちで赴任しました。

コロナ禍で飛べない客室乗務員、心のケアを大切に乗り切る

川端:着任して1年半ほどで新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われました。航空業界にとっては致命的な状況です。相当な苦労があったと思われますが、どのような施策を打ったのでしょうか。


インタビュー対談 川端氏(左)と土橋支店長(右)

土橋:当社は旅客便の貨物室を利用した”貨物便”を運航していましたが、渡航制限によりお客さまにご利用いただく”旅客便”を激減しました。規制等が厳しくなった2020年4月には、便によっては、お客さまがお一人だけということもありました。また、お客さまからご予約を頂いていた便が、お客さまが空港にお見えにならず、一人もお客さまが搭乗されない状態で飛行機を運行したということもありました。そして、2020年5月から6月の2ヶ月間、”旅客便”は運休となりました。しかし、飛行機は”貨物便”として二国間を結び続けていました。

 こうした状況のなか、様々な課題が上がりました。最も重要だったのは従業員の雇用維持です。私どもはコロナ禍といえども、いずれ旅客需要は必ず回復すると考えていました。そのときに備えて雇用は守らなければいけません。

 しかし、旅客機が飛ばない以上、会社としては航空券の販売以外に、何らかの形で収益を上げる必要がありました。例えば、シンガポール基地の客室乗務員たちは、スキルを生かしてマナー講座や日本の大学生向けの語学とサービス講座をオンラインで実施するといった工夫をしてきました。コロナ禍で乗務員たちが実は様々な才能を持っていることも分かり、例えば、デザインが上手な人もいて、当社のロゴを付けたエコバッグなどオリジナルグッズの企画や販売をするといった試みもありました。

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