Skip to content

Trend Reports

東南アジアの半導体戦略|各国の市場動向

サマリー

本記事では、2025年1月22日に行われた開催したオンラインセミナー「専門家に聞く 半導体最前線」の内容についてご紹介します。

東南アジア主要国の半導体政策:なぜ今注目すべきか?

半導体産業の重要性は、近年ますます高まっています。世界各国が産業の競争力を強化するために積極的な政策を打ち出しており、新たな製造・供給拠点として東南アジアが急速に台頭しています。その中でも、マレーシアは「国家半導体戦略」を掲げ、半導体産業の成長を政府主導で推進。後工程(組立・テスト・パッケージング)を中心に、国際市場での競争力強化を進めています。

本記事では、2025年1月22日に開催されたセミナー「スピーダ ASEAN経営企画の会|専門家に聞く 半導体最前線」のハイライトをお届けします。セミナー講演では、PwCコンサルティング合同会社 シニアマネージャー 祝出洋輔氏をゲストスピーカーとしてお招きし、東南アジア主要国の半導体政策や、同地域のサプライチェーンの現状と今後の展望について議論しました。

当日の内容については、セミナーレポートより詳しくご覧いただけます。無料でダウンロードいただけますので、ぜひ以下のページからご登録ください。(ご登録後、メールにてダウンロードURLをご案内いたします。)

イメージ画像:レポートダウンロードページURL案内用ボタン

マレーシアの半導体戦略:国家政策と課題

2023年に「国家半導体戦略」を発表

マレーシアはペナン州を中心に半導体産業の集積が進んでおり、「東洋のシリコンバレー」とも称されている。この背景には、政府による積極的な政策支援がある。特に、半導体の「後工程」(組立・テスト・パッケージング)において、マレーシアは長年にわたりグローバルなサプライチェーンの重要な拠点となっており、競争力を確立している。こうした既存の産業基盤をさらに強化し、半導体設計や最先端製造技術分野への進出を目指し、マレーシア政府は2023年に「国家半導体戦略」を発表した。

マレーシアの主な政策施策

    • ICデザインパークの設立:2023年、スランゴール州にICデザインパークを開設し、半導体設計分野の強化を推進。製造プロセスだけでなく、設計技術の向上を図ることで、国内企業の競争力を高める狙いがある。
    • 人材確保の推進(3R戦略):高度技術者の誘致、国内技術者の定着、海外で活躍するマレーシア人技術者の帰国促進を進めている。特に、台湾やシリコンバレーなど海外で経験を積んだマレーシア人技術者を国内に呼び戻すためのインセンティブを提供している。

米中対立の中で中立を維持

現在、世界の半導体産業は米中対立の影響を大きく受けており、各国がサプライチェーンの再編を進めている。こうした状況の中、マレーシアは貿易面・投資面でも戦略的に中立を維持し、両国との関係をバランスよく保つ外交政策を採用している。特定の国に依存することなく、産業の安定成長を最優先し、サプライチェーンの多角化を推進することで、持続可能な半導体産業の発展を目指している。

    • 貿易面:中国がマレーシアにとって最大の貿易相手国であり、半導体関連の取引も活発に行われている。
    • 投資面: 米国が主要投資国であり、多くの半導体関連企業が米国からの投資を受けている。特に、技術投資の面では米国の存在が不可欠となっている。

東南アジアへシフトする半導体の製造拠点

各国の取り組みとサプライチェーンの変化

米中対立の影響により、これまで中国・台湾に集中していた半導体製造拠点が東南アジアへシフトしつつある。これに伴い、マレーシアをはじめとする東南アジア各国が、独自の独自の強みを活かした半導体産業の育成を進めている。

例えば、タイでは、自動車産業を活かした半導体のエコシステム構築推進。インドネシアでは、地理的優位性を生かした産業誘致の模索。と、それぞれの強みを活かしながら、半導体産業の育成を進める。

また、「チップレット技術」の発展は、東南アジアの半導体産業にとって大きな成長機会をもたらしている。この技術により、後工程の付加価値が向上し、東南アジアの各国がグローバル市場での競争力を強化する可能性が高まっている。

今後の課題と展望

半導体産業の成長が期待される東南アジアだが、いくつかの課題も残されている。

    • 人材の確保:高度技術者の不足が各国共通の課題であり、技術教育の強化や外国人技術者の誘致が求められる。
    • 地政学リスク:米中対立の影響を受けやすく、規制の変化が各国のサプライチェーンに与える影響は大きい。

ただし、チップレット技術の台頭による後工程の重要性の高まりや、各国政府の支援、企業の投資戦略の強化により、東南アジアの半導体産業は今後さらに発展することが期待される。今後、各国が成長機会をどのように活かし、世界市場での競争力を高めていくかが注目される。

市場トレンドを理解し、経営戦略に活用

セミナーでは、マレーシアの国家半導体戦略をはじめ、シンガポール、タイ、ベトナム、インドネシアなど東南アジア各国の政策や方向性を更に詳しくスピーカーの方がにお話しいただきました。フルレポートでは、米中対立の影響を受けた半導体産業の地政学的変動や、技術革新による後工程の重要性の高まりについても、セミナーで議論された内容を詳細にまとめています。市場トレンドをすばやく理解し、経営戦略の意思決定に役立てるために、ぜひレポートをご一読ください。

イメージ画像:レポートダウンロードページURL案内用ボタン

スピーダASEAN経営企画の会とは?

スピーダ ASEANは、ASEANの「今」を知り、「未来」を描き、ビジネスを加速させるための、経済情報プラットフォームです。私たちは、ASEANでの事業推進を担う皆さまに向けて、アジア最大級のデータベースとセミナーを通じてご支援しています。ASEAN経営企画の会は、専門家の方をお招きして東南アジアの最新トピックや業界トレンドについてを深堀していくセミナーシリーズです。

定期的にオンライン・オフラインのセミナーを開催しておりますので、東南アジア地域に実際にお住まいの方、または他の地域から東南アジア事業を担当されており、東南アジア地域でのビジネスに携われている方はぜひご参加ください。

イメージ:セミナー案内ページ用ボタン画像

あなたにおすすめのコンテンツ