17 February 2021
EdTechは、COVID-19のパンデミック時に繁栄した産業の1つである。世界的には、EdTechの市場規模は2027年に2,852億米ドルに達し、2020年以降CAGR18.1%で成長すると予測されている。ASEAN6のEdTech産業は、まだ初期段階にある。同地域のEdTech市場の市場規模は直接入手できないが、相当数の若年人口、急速な都市化、増え続けるインターネットの普及、市場のごく一部を獲得しているごく少数のプレーヤーなどの成長触媒は、この業界が未開発で大きな可能性を秘めていることを示していることに注目すべきであろう。
しかし、いくつかの重要な課題も存在する。農村部と都市部の教育格差が最も顕著であるため、一部の国のEdTechの展望が暗いことは明らかである。この地域のインターネット普及率が上昇していることから、EdTechはこの問題を解決するための理想的なソリューションであると言える。しかし、EdTechが現実のものとなるためには、政府による本質的なさらなるアクションが必要である。
ポジティブな面では、COVID-19の大流行により、EdTechが唯一の解決策となり、業界の成長に弾みをつけた。政府は、民間企業とともに、通信、デバイス、アクセサリの提供などのインフラ投資を促進した。また、若い世代が教育を受け続けることが必然的に受け入れられ、ユーザーの導入が以前の予測より2年程早まったと思われる。また、新興企業やその他のビジネスベンチャーへの資金提供の急増と相まって、今後数年間、この分野でのイノベーションが促進される可能性がある。
ASEAN6の中でも、EdTechに関する規制のレベルは国によって異なる。シンガポールはEdTechの規制をいち早く導入した国の一つである一方、タイとフィリピンは比較的遅れている。
要旨
産業の概要
ASEANのEdTech産業の現状 - ASEAN6カ国ではインドネシアが最大市場
グラフ: ASEAN諸国の学齢人口(2019年)
市場規模と成長性
投資額は増加の一途をたどっている
グラフ: ASEAN6のEdTechに向かう投資額は2019年に238%増加(百万米ドル)
グラフ: ASEAN6のEdTechに参入する案件数は2019年に35%増に
COVID-19の影響
グラフ: ASEAN6カ国におけるCOVID-19の発生に伴う学校閉鎖の状況について
グラフ: COVID-19の流行により、東南アジアのEdTech導入は2019年1月~8月から2020年1月にかけて233%増加。
SEAにおけるEdTechアプリのトップ5の前年比インストール数
表: 各国政府もパンデミック時にEdTechを実施
EdTechの推進要因
教育費の増大と学齢人口の増加
グラフ: 現在、ほとんどの国の所得はやや低い水準にあるが、増加傾向にあり、教育費には良い兆しがある
EdTechのためのインフラ投資の増加
グラフ: マレーシアとシンガポールの生徒の教師比率は、2019年現在、インドネシアの2倍近くになっている
インターネット普及率の向上
グラフ: ASEAN6カ国では、人口の60%以上がインターネットにアクセスできるようになった
表: ASEAN各国のインターネット利用状況は、都市部と農村部で大きく異なる
グラフ: 1GBあたりのコストはASEAN内で大きく異なるが、全体としては国ごとに手頃な価格を維持している
規制の概要
ASEANでは少なくとも何らかの形でEラーニングの規制が行われている
競合の状況
グラフ: EdTechエコシステムにおいて、学習コンテンツと遠隔学習は重要な役割を担っている
主要な競合との比較
主要プレイヤープロフィール
表: 人気のEdTechプラットフォーム
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