01 February 2021
オンラインフードデリバリー(OFD)プラットフォームとは、ユーザーが複数のレストランのメニューから注文を選び、プラットフォーム内で配送と支払いを完了できるウェブサイトやモバイルアプリのことである。グローバルに受け入れられるように、ASEANのOFD業界もトレンドになりつつある。
ASEANのOFD業界は高成長を続けており、2020年の60億ドル市場から2025年には約230億ドルの市場規模になると予想されている。また、近年のCOVID-19の大流行により、消費者のライフスタイルが外食から内食にシフトし、より多くの人々が新しいOFDの選択肢を試す機会を増やしている。ASEANでは、特に都市部でのスマートフォンの普及が進んでおり、インターネット経済が発展しているため、OFDの普及が進んでいる。 しかし、ほとんどのASEAN諸国において、地方におけるスマートフォンの普及率はまだ低く、普及率が高まるにつれて、未開拓の高成長の可能性を秘めたセグメントであることを示している。
ASEANの中で最大のOFD国は、その人口の多さからインドネシアとなっており、市場規模の半分を占める可能性がある。また、地域柄、二輪車の利用が盛んであり、供給側のインフラであるドライバーの確保に寄与している。
OFDのモデルにはいくつかの種類がある。最もポピュラーなのは、注文を処理し、料理をピックアップし、配達する物流機能を持つタイプで、GrabやFoodpandaといった地域市場のリーダーが採用しているモデルである。 ASEAN6カ国におけるOFDの規制について、シンガポールとタイでは、OFDプラットフォームと飲食店の関係について、競争委員会の声明が出されている。その他の国は、ドライバーとレストランに対するCOVID-19関連の規制を除いて、まだ規制を策定していない。
この競争の激しい市場において、プロバイダーは投資家に対して業績、具体的には収益性を示そうとしている。ほとんどのプレイヤーは、2018年にGrabがUberの東南アジア事業を買収するなど、競争を減らすための統合を検討しており、他にもクラウドキッチンを設置してサプライチェーンを垂直的に拡大し、利幅を拡大するような手法もある。
要旨
業界の概要
COVID-19の大打撃にもかかわらず、ASEAN6でOFDが成長し続けている
グラフ: オンライン配送の対象市場全体に占める割合
表: Googleウェブ検索で選択された食材宅配サービスのトレンド
グラフ: 全サービス顧客に占める新規デジタル顧客の割合(カテゴリー別内訳)
市場規模・トレンド
ASEAN6のOFDは2018年の20億米ドルから2025年までに推定80億米ドルに成長へ
クラウドキッチン市場は2019年から2026年にかけてアジア太平洋地域で年平均成長率20%で成長
推進要因
インターネット経済全体の成長
グラフ: インターネットユーザー数成長率 2015年、2020年
COVID-19によるイートインの増加
表: COVID-19関連活動トップ5、OFDに好影響を与えた活動
グラフ: ASEAN6におけるスマートフォン普及率
ASEAN6のデジタル決済取引は年率14.2%で成長する見込み
表: ASEANにおける銀行口座、クレジットカード、デビットカード、モバイルマネーの口座普及率(2017年)
グラフ: ASEANにおけるデジタル決済取引の成長(2018年、2022年)
新興国特有のメガシティは参入障壁が低い
ASEAN6はバイク文化が浸透しており、配送効率も高い
グラフ: 人口1,000人あたりの二輪車保有台数が多い国トップ20に、ASEAN10カ国中6カ国がランクイン
規制の概要
シンガポールやタイではすでにOFD事業者とレストラン事業者の間でフェアトレードの問題が顕在化し、規制がかけられている
表: ASEAN諸国におけるOFD産業の規制について
表: OFDドライバー登録の要件と必要書類
競合の状況
OFD業界は収益性が低い
表: OFDモデルの種類と主要プレイヤー
表: 主要プレイヤープロフィール
レポートの全文は、SPEEDAにご加入の方のみご覧いただけます。
このレポートやSPEEDAが提供するサービスについて詳しくお知りになりたい方は、フリートライアルにお申し込みください。
SPEEDAにご登録されている方は、こちらをクリックしてレポート全文をご覧ください。