Skip to content

Resource Center

東南アジア企業データベース:企業情報の探し方

東南アジアの企業データ収集が難しい理由とは?

ビジネスを成功させるには、企業の情報を正確に把握することが重要です。競合分析や市場調査、企業評価など、さまざまな場面でデータが必要になります。

しかし、東南アジアでは企業データの入手が簡単ではありません。国ごとに情報の公開状況が異なり、データの質やアクセス方法もバラバラです。そのため、正確な情報を集めるには工夫が必要になります。

この記事では、東南アジア6カ国(ASEAN-6)で企業データを収集する方法を紹介します。各国で利用できる情報ツールの概要や、データ収集を効率化するプラットフォームについても解説します。

市場調査に企業データベースを活用することが重要となる理由

様々な業種・部門で利用される企業データ

企業データは、さまざまな業界で意思決定の基盤となります。経営企画・新規事業開発・営業・マーケティングなど事業会社でも複数の部門において、市場で成功するための戦略をプランニングするためにデータを活用しています。

また、M&Aや事業誘致などの投資分野でも正確な企業データが意思決定を行うためには欠かせません。

企業情報は、上場企業の情報は公開されていますが、非公開企業のデータは一般に流通しておらず正確な信用性の高い情報を収集しづらいのが実情です。しかし、その価値は非常に高く、適切に活用すれば競争優位性を確立できます。

東南アジアに拠点を置く日系企業にとっての企業データの重要性

企業戦略部門では、長期的な成長計画や市場参入戦略の策定にデータを活用します。特に東南アジア地域を含む海外に拠点を置く日系企業では、企業の情報を収集している部門と必要とする企業情報として以下が挙げられます。

経営企画に必要な企業情報

  • 東南アジア各国の市場環境の分析:業界内の主要企業や成長領域を特定
  • 業界動向を理解:国別の産業施策のとりまとめ
  • M&A(合併・買収)戦略の立案:有望な買収対象を見極める
  • 市場の動向把握:ASEANなどの新興市場での成長機会を探る

営業・マーケティングに必要な企業情報

  • 営業開拓のための売上規模・成長性を加味したターゲット企業リスト作成
  • 顧客企業の与信調査

新規事業開発に必要な企業情報

  • 新規開拓マーケットを理解:新興市場の分析市場規模の試算
  • プレイヤーを把握:注力領域のスタートアップ企業一覧を作成
  • 企業プロファイル:特定の企業のプロファイリングと分析

東南アジア地域では、複数の国を担当されている方も多いかと思います。しかし、非公開企業の情報開示が不十分だったり、国ごとに情報の収集先や公開されている情報が統一されておらず、市場の透明性が低いのが課題です。

このような状況の中で、正確で最新の企業データを活用できるかどうかが、ビジネス成功の分かれ目になります。限られた情報源の中で、有望な投資機会を逃さず、成長戦略をより効果的に実行するためには、適切なデータにアクセスすることが重要となるでしょう。

東南アジアの企業情報をデータベースで効率的に収集する方法

東南アジア各国の事業規制当局と公式企業データベース

東南アジア諸国では、非公開企業の情報にアクセスするのは複雑です。国ごとに異なる企業データの管理と公開に独自の規制とシステムが設けられており、特に市場参入調査、財務分析に携わる方にとって、正しい情報取得ルートの把握は市場調査をするうえで重要です。

東南アジア各国の企業データベース一覧:特徴と活用法

ASEAN6か国、つまりシンガポール、マレーシア、タイ、ベトナム、フィリピン、インドネシアでは、国ごとに自由にアクセスできる、事業規制当局が運営する公式データベースが用意されています。

こちらが各国の主要な事業規制当局と、それぞれの国で企業データにアクセスできる公式ウェブサイトの一覧です。各ウェブサイトでは、企業の基本情報から詳細な財務諸表まで、さまざまなデータにアクセスできます。ただし、データへのアクセスのしやすさ、提供情報の範囲、費用は国によって大きく異なります。以下各国の企業データベースについてその特徴と活用方法をみていきましょう。

 


image of singapore country flag  シンガポールの企業データベース:BizFileの特徴

シンガポールのBizFileは、会計企業規制庁(ACRA)が運営する、ASEAN地域でも特に効率的な企業データベースの一つです。ユーザー登録が不要で、すぐに企業情報の検索を開始できる使いやすさが特徴です。

このプラットフォームでは、デジタル化された財務諸表を検索・閲覧でき、企業名を入力するだけで必要なデータにアクセスできます。基本的な情報は無料で取得可能ですが、より詳細なレポートを購入することもできます。価格設定が明確に示されており、透明性の高いコスト体系が整っています。

Screenshot of Singapore company database BizFile

 


 

image of Malaysia country flagマレーシアの企業データベース:SSM e-Infoの特徴

マレーシア会社委員会(SSM)が運営するe-Infoポータルは、企業データの取得が可能な公式プラットフォームです。ただし、シンガポールのBizFileと比べると、利用にはいくつかの手続きが必要です。

ユーザー登録は無料ですが、企業リストページにアクセスするためには、e-アカウントに最低残高を維持する必要があります。企業情報は、会社名または登録番号で検索可能で、監査済み財務諸表のスキャン画像を閲覧できます。ただし、これらのデータはダウンロード不可となっています。

シンガポールのBizFileと同様に、詳細なレポートは有料で提供されていますが、e-アカウントに一定の残高を維持しなければならない点が、アクセスのハードルとなることがあります。

Screenshot of toppage of SSM e-info Malaysia company database

 


 

image of Thailand country flag  タイの企業データベース:DBD DataWarehouse+の特徴

タイ商務省事業開発局(DBD)が運営するDBD DataWarehouse+は、登録不要で利用できる使いやすい企業データベースです。直感的なインターフェースを備えており、企業名を入力するだけで基本的な会社情報を簡単に検索できます。

特に財務諸表の無料ダウンロードが可能で、ExcelまたはPDF形式で取得できる点が大きな特長です。これにより、データの加工や分析が柔軟に行えます。また、株主の国籍情報も提供されており、企業の所有構造を把握する際に役立ちます。

ASEAN各国の中でも無料で詳細な財務データを取得できる数少ないプラットフォームの一つであり、コストをかけずに企業情報を入手できる点が大きなメリットです。

Screenshot of top page of DBD Thailand company database website top page

 


image of Vietnam country flag  ベトナムの企業データベース:National Business Registration Portalの特徴

ベトナム計画投資省(MPI)が運営するNational Business Registration Portalでは、企業データにアクセスできますが、一部制約があります。

登録不要で基本的な企業情報を閲覧できますが、詳細なデータを取得するには特定の書類を購入する必要があります。無料で提供される情報は主に会社の基本プロフィールに限られ、詳細な財務情報は含まれていません。

ただし、有料レポートの購入手続きは比較的シンプルで、ウェブサイト上に明確な案内が記載されています。他のASEAN諸国と同様、必要なデータを確実に入手するためには、有料オプションの活用が不可欠となります。

Screenshot of top page of Vietnam company database National Business Registration


image of Philippines country flag  フィリピンの企業データベース:SECエクスプレスシステムの特徴

フィリピン証券取引委員会(SEC)が運営するSECエクスプレスシステムは、他のASEAN諸国のデータベースとは異なり、物理的な書類の配送に特化している点が特徴です。

企業名またはSEC登録番号で検索できますが、企業データはウェブサイト上で直接閲覧できません。デジタルダウンロードの代わりに、紙の書類をユーザーの所在地へ配送する仕組みになっています。

このため、詳細な情報を取得するには数日かかることがあり、即時データが必要な場合には不便となる可能性があります。迅速な情報取得が求められるプロジェクトでは、他のデータソースと併用が推奨されます。

screenshot Image of Phillipines company database SEC Express website top page


 

image of Indonesia country flag  インドネシアの企業データベース:利用可能な情報とは?

インドネシアには、非公開企業のデータをダウンロードできる専用オンラインポータルが存在しません。そのため、ASEAN諸国の中でも企業情報の取得が特に難しい国の一つとされています。

中央集約されたデータベースがないため、企業データを入手するには、直接企業へ問い合わせるか、民間のデータ提供サービスを活用する必要があります。このプロセスは手間がかかることが多く、情報の正確性や入手スピードにもばらつきがあります。

信頼できるデータを効率的に取得するには、現地の専門機関や第三者プロバイダーと連携することが重要となってきます。

 


企業データベースを活用し、東南アジアの市場情報を効率良く収集しよう

このような公的データベースを用いることで東南アジア各国の企業データを収集していくデスクトップリサーチを行う場合、いくつかの課題が伴います。

課題1:企業データの提供範囲が国によって異なる

公的データベースを利用した場合、提供されるデータの充実度やアクセスのしやすさが変わってくるため、収集できるデータの精度が国ごとで変わってきます。例えば、タイでは無料で財務諸表をダウンロードできるのに対し、ベトナムやフィリピンでは、詳細なデータを取得するには有料でデータを購入する必要があります。

課題2. :企業情報収集に時間とコストがかかる

公的データを利用しても、詳細な企業データを取得するには、多くの場合情報を購入する必要があります。フィリピンの企業データの場合には、データベース上でダウンロードするメニューがないため、企業情報を紙媒体の資料で注文する必要があり、購入した書類を入手できるまでに数日かかることがあります。このようなプロセスは、リサーチのスピードを遅らせ、コストを増加させる要因となってしまいます。

課題3:分散した情報を収集するための負担が大きい

公的データベースでは、国ごとで企業データベースのフォーマットや規制などの条件が異なるため、情報収集も国ごとのウェブサイトで行う必要があり、また国をまたいでのリサーチの場合、データの形式を統一する手間が発生します。そのため、リサーチ担当者は複数のサイトを行き来しながら情報収集し、一つにまとめる必要があり、情報収集の負担が大きくなります。

課題4:国ごとで情報に言語の壁がある

一部の国では、公的データベースの情報が現地語のみで提供されていることがあります。そのためベトナム語やタイ語のポータルでは、非ネイティブのユーザーにとって情報検索が難しい場合があります。

こうした課題を考慮すると、統合された企業データプラットフォームを活用することで、公的データベースを利用することで想定される課題を解決し、リサーチの効率化が期待できるでしょう。

東南アジアの業界+企業データベースプラットフォーム:スピーダとは?

ASEANビジネス向け情報プラットフォームで調査の精度を向上させる

東南アジア地域の市場調査や情報収集に苦労していませんか?調査時間を短縮し、より精度の高い意思決定をするために、情報が集約されたデータベースプラットフォームは、様々なリサーチをされる方に利用されています。スピーダ東南アジア版は、ASEAN地域でのビジネスに携わる皆さまに特化した経済情報プラットフォームです。

東南アジア地域で今急成長している業界や各国の特徴など、ASEAN-6の国々にフォーカスを当てたレポート等のコンテンツを提供しております。

企業データベース「スピーダ」東南アジア版の主な特徴と活用メリット

スピーダは、企業データと業界リサーチを統合したビジネスインテリジェンスプラットフォームです。東南アジア版スピーダでは、アセアン地域に拠点を置く企業の皆さまの日々のリサーチをご支援しております。

1.世界中の企業データにすばやくアクセス

世界200ヶ国、約1,100万社の企業情報が格納されたデータベースにいつでもアクセスしデータをダウンロードできます。ASEAN-6、中国、韓国、オーストラリアを含む1,000万社以上の上場・非上場企業データから地域や業種などの属性、社名や事業内容などのキーワード、財務数値など条件を指定して簡単に検索・絞り込みすることができます。

2.東南アジア地域の業界動向を読み解く

560以上の業界をカバーするスピーダ独自レポートを3,000以上国ごとに収録しています。全てのレポートが3C分析の観点でまとまっており、短時間で業界の概要・市場環境・競争環境を理解できます。また、業界主要企業の財務データも、成長性や収益性などの観点から簡単に取得可能です。市場動向や競争環境を深く理解し、戦略策定に役立てることができます。

3.追加リサーチを依頼してより深い洞察を得る

データベースからだけでは探しきれない情報も、追加リサーチを依頼することで、スピーダの専門コンサルタントが追加調査を代わって行い調査結果を報告します。調査時間を削減し、分析により時間をかけることで戦略精度を向上させましょう。

スピーダでリサーチをより効率的に

スピーダの活用方法を実際に体験してみませんか?無料トライアルにお申し込みいただくと、担当者が調査内容をヒアリングしながら、スピーダの機能をご紹介します。リサーチを効率化し、より精度の高い情報収集を実現するために、ぜひお試しください。

あなたにおすすめのコンテンツ