経営者インタビュー
経営者に聞く「KDDI Asia Pacific社 松浦 謙太郎 代表取締役社長CEO」トップインタビュー
東南アジア経営者インタビュー

「経営者に聞く」 インタビューシリーズ
スピーダ東南アジアでは、東南アジア市場で挑戦している皆さまを、経済情報とコミュニティ作りを通してご支援しています。
「経営者に聞く」インタビューシリーズでは、東南アジア地域で事業展開する日系企業の代表者の方々に、ご自身の経営哲学や信念、海外事業経営の醍醐味(挑戦の難しさと面白さ)をお伺いし、ご本人と会社の魅力を読者の方々にお届けする企画です。
今回は、Speeda 東南アジア CEOの内藤靖統とマーケティングの武藤が、KDDI Asia Pacific社 代表取締役社長CEOの松浦 謙太郎 氏にお話を伺ってきました。
シンガポールを司令塔にAPAC15カ国を統括
ーKDDI Asia Pacificの事業ミッション及びシンガポールの位置づけについて教えてください。
松浦 謙太郎氏(以下、松浦氏):現在、当社は中東ドバイから東南アジア、オーストラリア、台湾、韓国の15カ国で事業を展開しています。
シンガポールはAPAC全体の統括拠点として戦略、技術、ファイナンス、人事、営業、そしてガバナンスといった主要機能をシンガポールに集約し、オペレーションしております。
当社のビジネスはSI(システムインテグレーション)事業はじめ、内装事業、コネクティッドカー向けIoT回線サービス、そしてデータセンター関連ビジネスと、主に4つのポートフォリオでビジネスを展開しています。
昨年より、日立製作所・東原会長の提唱する「自立分散型グローバル経営」を手本に、各拠点が独自のビジネスモデルを創出し成功事例を横展開する体制を整え、APAC全体への展開を進めています。
売上の8割を支える、現地密着型のSIビジネス
ー各国において特に注力されている事業領域についてお聞かせいただけますか。
松浦氏:フィリピン・インド・マレーシアでは、SIに加えて内装ビジネスにも注力しています。先日、KDDI本社が発表した「KDDI Space Design」のコンセプトでICTから内装、SIまで一括提供するビジネスモデルです。展開を始めてから5年ほどになります。特にフィリピンでは内装要員だけで30名体制で設計からプロジェクトマネジメントまでを一気通貫で提供しています。
この内装ビジネスはICT事業との親和性が非常に高いのが特徴です。お客様がオフィスをリノベーションしたり移転したりする際には、内装や家具、そして通信環境の整備が必ずセットになります。我々はそれをワンストップで対応できるため、特に日系企業のお客様から高い評価をいただいています。こうした理由から、これら3カ国で大きく成長している分野となっており、他の10拠点でも同様の取り組みを進めています。
ーSIの分野では、各国でどのようなプロジェクトを進めていらっしゃるのでしょうか。
松浦氏:SIに関しては、物理レイヤーからクラウドまで幅広く対応し、総勢1000名のうち約500名のエンジニアを直営で抱え、サーバー導入からクラウド、PC環境まで自社のリソースで対応を行っております。
これは「労働集約型」とも言えるビジネスですが、テーラーメイドで細やかに課題解決を行うことからAIに取って代わられることのない領域だと考えています。市場全体が変化して上位レイヤーにシフトしていく中で、我々は逆にそのポジションを確立しており、結果として、APACにおける日系企業様には我々を非常に重宝していただいていると感じています。
シンガポールでは日系、非日系の売上比率がほぼ半々、50%ずつになってきており非日系への拡大も目指しております。
成功モデルの一つとしては、マレー系シンガポール人の営業ヘッドを起用し、日系・非日系の両方を彼に統括させたことが挙げられます。もちろん非日系の専任チームもありますが、その上に日系・非日系双方を横断的に見る役割を設け、シンガポール全体の営業トップを彼に任せました。
非日系チームは全員ローカル人材で構成されているのですが、特にシンガポールは「パートナー紹介型のビジネス」が非常に多いのが特徴です。CISCOやFortinetなどのグローバル主要ベンダーの上位認定を有している事から、非日系の紹介案件を多くいただいている状況です。結果として非日系ビジネスも大きく伸びており、チーム全体の成長を支える重要な柱になっています。

