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経営者インタビュー

経営者に聞く「村田製作所シンガポール 泉谷寛マネジング・ディレクター」 トップインタビュー

今後、注目しておきたいグローバルトレンド

川端:これまでのお話で地政学といった大きな話題が出てきました。最近はChat GPTが大きな話題となっています。今、泉谷さんが現在注目されているグローバルトレンドとは何でしょうか。

泉谷:もちろん地政学やAIなどは、私自身とても興味を持っています。会社としても、こうした変化に適用、対応していかないことには生き延びられません。

地政学については、今後、インドやアフリカがプレゼンスを上げてくること考えると、その流れの20年先を考えて、たとえば、今私のいるASEANはどうしていくべきかといったことを、今のうちに模索しておかなければなりません。

環境対策でも再生可能エネルギー化の流れは、どんどん前倒しで進んでいます。

AIの進化については、スタッフの皆さんに「2025年まで何%位の人にリスキリングが必要か」という質問しました。50%位の人にリスキリングが必要で、これだけの仕事がなくなり、それ以上の仕事が生まれる、という記事を見せました。

「リスキリングしても変化を楽しもう!」という感じで伝えたのですが、AIなどが来ることで変化を余儀なくされることも確かで、企業としてふるいにかかります。これは、もうすぐそこに来ています。危機感を強く持っていて、急がないといけません。

技術的面やテクノロジーの観点では、ミリ波が本格的に普及するかには関心を持っています。私自身が以前、ミリ波の製品を手がけていました。

今、5G は大方使えるようになってきましたが、ミリ波の普及はまだまだこれからで、スマホなどで感じられる動画をダウンロードするなどのレベルでは4Gと大きな差がありません。

普及すればレイテンシーレートが大きく変わりやれることも増えてきます。ミリ波の世界が広がれば、次の世代6Gなどにも繋がります。我々も当然、この動きを加速化するための商品を作ったり、お客様にアプローチしたりしています。ここは、通信という観点で大きなブレイクスルーとなります。

ミリ波は遠くに飛ばないものですし、6Gはもっと飛びません。そうしたなかで、どのようにネットワークを構築していくかといった、様々な周辺にあるエッジサーバーやエッジコンピューティングはどんどん変わるでしょう。この技術の変化にはすごく注目しています。

「外向き」のタイムマネジメント、テニスで広がる人脈

川端:日々、ご多忙を極めていらっしゃるかと思います。タイムマネジメントで大切にしていることはありますか。

泉谷:タイムマネジメントという意味で言うと、自分の時間を自分の領域以外に使えるかというのが、すごく大事だなと思っています。

 例えば、上司が自分の領域ばかりをやると、その下の人たちはさらに細かいところにいってしまって、みんなが内向きになっていきます。

上の人が半分の時間を自分の組織外の仕事に時間を使うと、当然下の人たちも、私と同じマネジメントのレイヤーに立って考える時間も増えるはずですし、外を見ようとするはずです。そうやって全体がなっていくといいと思います。これは、まだ自分でも自問自答を繰り返しながらやっています。

上司としては、部下を育てるために自分が大きくならなければ部下に迷惑が掛かるなと思います。そう思うと、頑張ろうという気が沸いてきます。でも、ふと予定表を見ると「また中の仕事ばかりだな」と思うこともあります。

定期的に見返して、できるだけ外の仕事を増やそうとしています。最近は、コロナによる規制もほぼなくなりましたから、外の人とも色々と繋がりが出てきました。そこに、ナショナルスタッフを巻き込むことも含めて、できるだけ積極的にやろうとしています。

プライベートではテニスに時間を使っています。ゴルフもやるのですが、一番好きなのはテニスです。コロナの最中でも2名ならプレー出来ましたし。シンガポールでは日本人のサークルがあるので、毎週参加しています。

会社の方以外と気楽に交流する機会にもなり、新しい出会いやコネクションが出来たりします。

高校からずっとやっているので、アメリカに行った時もやっていましたし、テニス仲間はずっと繋がっています。アメリカの時に知り合った人の知り合いの人が日本に行って、またその人にシンガポールの知り合いを教えてもらう、と繋がっていく。すごく面白いなと思いますね。

年齢を重ねてもできるスポーツというのも長所だと思います。 

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