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経営者インタビュー

経営者に聞く「村田製作所シンガポール 泉谷寛マネジング・ディレクター」 トップインタビュー

修羅場をやりきってビジネスパーソンとして成長

内藤:これまでのお話で、泉谷さんがとてもオープンな姿勢で、変化への対応を積極的にされる方だと感じました。

マネジメントとしてこれまでのご経験の中でどのように変化を自分の力に変え、オープンに周りのメンバーとのコミュニケーションを取りながら、どのようにマネジメントスタイルを作られてきたのか興味があります。

泉谷:ラッキー(?)なことに、私は色々な修羅場にアサインされました。すごく大変でしたが、とても感謝しています。

直近で言うと、5年前ぐらいに大変な修羅場を味わい、一番の転機でしたね。ポジティブとか明るくとか、一方で情熱的でというのは、まさにその時に思ったことです。急に全く違う部門に「問題を解決してきて」という感じでアサインされました。

何も知らないところにリーダーとして行くときは、マイクロマネジメントではできないですし、しようとも思いません。指示を出すにしても、みんなに情報を共有して今自分たちはこういう状態です、ということは頻繁にやっていました。

工場では目先のところにみんなフォーカスしがちなのですが、やはり事業全体の話を工場にも持って行って、常にポジティブに「絶対に巻き返しできるよ」という雰囲気を普段の中だしていように心がけていました。

ポジションが上がってくると、細かくマネジメントするなんていうのは、もうできないなと分かった時は一つの転機でした。 

「絶対に逃げない」という誓いが信頼を作り出す

川端:そうした修羅場を切り抜け、アメリカやシンガポールと海外勤務の経験もある中で、今までを振り返って個人として重要にしている価値観とは何でしょうか。

泉谷:元々は日本で営業や事業部などを経験し、今、ここ、シンガポールに来ているのですが、お客様も、社内も人と人の信頼関係が全てだと思います。これがすごく大事だと思っているので、とにかく信頼関係をどう築けるかというのが、僕の中では一番大きいですね。

自分はどういうところが特徴なのかと問われた時に、たくさんの修羅場を任されましたが、「絶対に逃げない」というのだけは誓っています。そうでないと信頼関係は絶対に生まれないと思います。これはお客様との関係でも変わりありません。

お客様から見て「逃げる人」というのは、交渉相手にはならないです。何が起きても絶対に自分のボールは自分で持ち続ける事を大切にしています。あまり格好良いことは言える人間では無いですが、情熱的で、ポジティブに明るく、リーダーシップを発揮する。

それが私のスタイルです。これは、責任感と表現するより、使命感だろうなと感じています。

内藤: どこか「やらされている感じ」のある責任感という言葉よりも、「自分がやらなきゃいけない」と思う使命感という表現の方がしっくりくる、という感じですね。最後に座右の銘、またはお好きな言葉について伺います。

泉谷:座右の銘。どなたかがインタビューに応じているのをみていて、「この質問が来たら自分は全く答えられないな」と思っていました。座右の銘リストはありませんか(笑)。

次回までの宿題、と言いたいところですが、今日話したことは、僕が本当に、常に、大事にしていることです。それを組み合わせて座右の銘と理解して頂けたら良いと思います。

川端・内藤:本日は貴重なお話をお聞かせいただき、大変ありがとうございました。

取材日:2023年3月21日
※インタビュー記事に記載の内容や、登場人物の所属・肩書は、インタビュー時点での情報です。

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