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経営者インタビュー

経営者に聞く 「東レインターナショナル シンガポール馬場孝一郎社長」 トップインタビュー

ASEAN経営者インタビュー 


(写真左から) 東レインターナショナル シンガポール 馬場社長、SPEEDA ASEAN CEO 内藤靖統

「経営者に聞く」インタビューシリーズ

SPEEDA ASEANでは、ASEAN市場で挑戦している皆様を、経済情報とコミュニティ作りを通してご支援しています。

「経営者に聞く」インタビューシリーズでは、ASEAN地域で事業展開する日系企業の代表者の方々に、ご自身の経営哲学や信念、海外事業経営の醍醐味(挑戦の難しさと面白さ)をお伺いし、ご本人と会社の魅力を読者の方々にお届けする企画です。

今回は、SPEEDA ASEAN CEOの内藤靖統が、東レインターナショナル シンガポール社長の馬場孝一郎 氏にお話しを伺ってきました。

TORAYのシンガポールでの役割

内藤:今年シンガポール日本商工会議所の会頭にも就任された馬場様ですが、シンガポールに赴任されたのはいつでしょうか。また、東レインターナショナルシンガポールでは、どのような事業展開をされていらっしゃいますか。

馬場:シンガポールには2回目の赴任で、今回は2020年に赴任してまいりました。また、東レインターナショナルシンガポールは、東レの東南アジア地域における営業の先兵として1982に設立し、昨年が設立40周年でした。

シンガポールには東レの製造拠点はありませんが、当社はシンガポールのみならず、東南アジア、インド、スリランカなど幅広い地域で東レ製品の販売を行っております。

また、マレーシアのペナンにあるグループ会社のABS樹脂工場向けの原料モノマーの購買もシンガポール拠点の重要な役割です。とはいえ、こちらの購買業務は先方のグループ会社の製造計画に合わせて商売が拡縮してしまうので、自助努力により商売を拡大できる、販売業務の方に、より力を入れています。

事業経営の面白さと難しさ

内藤:これまでの駐在を通じて、シンガポールで勤務される面白さや現在の事業経営の面白さ、難しさなどを教えてください。

馬場:1回目の駐在の時は営業として7年間シンガポールにおり、国内やアセアン各国を飛び回りながら仕事ができたのは楽しかったですね。当時は、プラスチック製品の販売を統括していましたが、顧客となる日系製造業も伸びていたので実績もついてきていました。

今回は社長としての再赴任ですが、現在までに当社の素材を使っていただける製造業の多くがシンガポールを出てしまっていることを考えると、より付加価値の高い商品の開発を進める必要があります。シンガポールおよび周辺国のローカル企業・欧米企業向けの製品開発および営業を進めていく、というところがチャレンジであり、醍醐味ですね。

シンガポールを活かした新しいチャレンジ

内藤:シンガポールではどのような新規事業や取り組みを展開されていますか。

馬場:2022年6月に「東レシンガポール研究センター」(TSRC: Toray Singapore Research Center)を開所しました。同研究所は、半導体や電子回路材料などの部品に必要な電情材の研究を行うR&D拠点として新設しました。

内藤:なぜシンガポールだったのでしょうか。

馬場:ここでは、東レ本社の研究拠点との連携のみならず、シンガポールの政府系半導体研究機関であるIME(Institute of Microelectronics)や、現地の大学との連携も強化していく狙いがあります。

IMEのコンソーシアムには2016年から参画していましたが、実際にシンガポールにR&D拠点を置くことで、より一層連携を強めることが可能になります。シンガポールという立地の強みも生かして、ASEANの顧客の技術サポートもできますし、ASEANの顧客ニーズを当地シンガポールで受けて、開発に反映していくことも可能になっています。

内藤:シンガポール政府も半導体産業のさらなる成長に注力していますし、その国家戦略にあわせたR&D機能の強化ということですね。

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