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AI時代の情報収集から意思決定に繋がる精度へ

多くの企業で、業務にAIを取り入れたリサーチが広がっています。市場動向や競合ニュースの収集・整理でも、日々の情報収集の効率が上がったと感じている方は多いのではないでしょうか。しかし、こうしたAIによるリサーチだけでは、事業戦略や戦略立案にそのまま使えるとは限りません。もう一歩のリサーチが必要になります。

本記事では、AIによって加速した情報収集を、「次の一手」を判断できる精度にどう近づけるか。この問いに向き合っていきます。

こんな方におすすめです

  • アジア地域全体を見渡した戦略策定を担っている経営企画の方
  • AIによる情報収集を日常的に活用しつつ、その先の精度に課題を感じている方

AIは「知る」を加速させる

リソースが限られる中で、日々の情報収集にAIを活用することは、地域をまたぐ海外事業において合理的な選択です。現地のニュースの要約や市場動向の初期整理、複数言語にまたがる一次資料の翻訳。これらはAIが得意とする領域です。工数のかかる作業でも、AIを使えば圧倒的な速さでアウトプットを出せます。

リサーチの実務でのAI活用例

  • 各国の経済ニュースを日次で要約させ、動向を素早く把握する
  • 業界レポートの要点を抽出し、初期仮説のたたき台を作る
  • 競合企業の公開情報を横断的に整理し、比較の土台を作る

情報収集を効率化できれば、その分の時間を、より精度の高い分析や戦略立案に充てられます。AIは「知る」を加速させる、リサーチの入り口を担うツールとして身近な存在となりました。

【ケース:定期的な市場動向のアップデート場面でAIを活用】

現地法人の責任者として、シンガポール・タイ・ベトナム市場の最新動向を、本社へ定期的に報告しています。その報告資料の作成に、AIを活用しています。

AIを使ってできること

  • 現地メディア、競合企業のIR・決算資料、各国政府の発表、日系メディアなど、複数の情報源から関連情報を収集する
  • 収集したニュース記事やIR資料、政府発表資料をAIで要約する
  • マクロ経済、業界動向、規制・政策変更、競合企業の動向、M&A・投資動向など、テーマごとに情報を分類・整理する
  • 「本社向け月次市場レポートとしてまとめる」といった指示で、レポートドラフトを自動生成する
  • 情報収集から整理・レポート作成までのプロセスをチームで共有できるよう仕組み化し、同じ手順・フォーマットで定期的に市場動向をアップデートできる体制にする

AIは「情報の収集・整理・要約」を特に得意としています。日々の情報収集にAIを取り入れることで、リサーチや資料作成にかかる工数を大幅に削減できるだけではなく、本社への情報共有の品質とスピードも向上することができるのです。

AIリサーチの限界

地域戦略の策定や事業戦略の立案といった重い意思決定の場面では、AIによる情報収集だけでは、情報の精度や信頼性に課題が残ります。

一つは、情報源の限界です。AIは既存の情報を再構成することに長けていますが、公開情報だけでは見えない産業施策の背景にある行政の意図や、まだ言語化されていない現場の一次情報のような未公表の動きまでは追いきれません。

もう一つは、情報の精度の限界です。AIは公開情報をもとに回答を作ります。そのため、どの情報を根拠にしているかが明示されないことがあります。出典が不明確なまま、それらしく整った回答が返ってくる。表面的には正確に見えても、実際には誤っている情報が混ざっていることも珍しくありません。ビジネスの意思決定に直結する場面で、こうした回答を鵜呑みにするのはリスクを伴います。

例えば、先ほどの【定期的な市場動向のアップデートを行うケース】では、マクロ経済、業界動向、規制・政策変更、競合企業の動向、M&A・投資動向といったテーマで、日々の情報収集が必要でした。AIによって誰もが情報を集められる時代になりました。しかし、こうした場面でビジネスの意思決定に使える水準まで情報の精度を上げるには、AIだけに頼らない、もう一段のリサーチが必要になります。

精度の高い情報を得るには

では、精度の高い情報を得るためには、何が必要になるのでしょうか。

先ほどのケースを例に、参照すべき情報源を考えてみましょう。

  • マクロ経済や規制・政策変更:各国政府や中央銀行の公式発表
  • 業界動向や競合企業の動向:現地メディアや業界専門メディア
  • M&A・投資動向:競合企業のIR・決算資料や財務データベース

こうした情報は、対象国・市場が複数あり、国・企業ごとに発表のタイミングも情報の粒度も異なります。どの情報源を、どの国について、どの頻度で確認するか。これを一人で継続的に管理するのは、容易ではありません。

ここからは、精度の高い情報を得るための具体的な方法を、3つのステップで紹介します。

ステップ1:AIとデータ基盤で役割を分担する

AIの強みは、情報を素早く整理できる「速さ」と「幅」にあります。一方、業界・企業データを体系的に蓄積したデータ基盤の強みは、その情報の「深さ」と「確からしさ」です。リサーチの初期段階、つまり一次情報の探索や要約はAIに任せ、裏付けや深掘りが必要な段階ではデータ基盤を使う。この使い分けが、精度向上への近道になります。

ステップ2:ハイブリッド体制でクロスチェックする

2つのツールを組み合わせたハイブリッド体制を組むことで、情報の確度はもう一段引き上げられます。

  • AIが生成した回答を、データ基盤で検証する
  • 複数のソースや、複数のAIモデルでクロスチェックする

データ基盤を活用することで、出典・情報ソースの選定と管理という、本来利用者が負うべき責任を軽減できます。

ステップ3:専門家のインサイトを加える

地域・業界に精通したエキスパートの知見や、アナリストなどの専門家のインサイトを加えることで、AI生成だけでは実現できないレベルまで、情報の質そのものを高めることができます。

実際にある日系コンサルティングファームでは、生成AIとデータ基盤をそれぞれ、インプットとプロセスで役割を分けて活用しているそうです。


 

【Speedaの活用事例より】

弊社では、複数社の財務データを信頼できるデータ基盤で収集しています。それを生成AIに入れ込み、「この軸で比較してほしい」「図にしてほしい」と加工を任せる使い方です。「元データはデータ基盤、加工は生成AI」と、インプットとプロセスで役割を分ける発想です。

AIに「この軸で比較して」と頼んでも、本当にそのデータを正しく取ってきたのかは、最後まで分かりません。結局、自分で確認する二度手間が発生しがちです。一方、信頼できるデータ基盤の情報であれば「間違っていない」という前提で加工に進められます。出典への不安が解消される分、データを個別に拾いに行っていた時間を空けられます。その時間を、一次情報の取得や、現地・顧客との議論にあてられるようになります。

AIとデータ基盤でリサーチの役割を分担し、使い分けることで、効率よく意思決定のためのリサーチができるのです。

生み出した仮説を、さらに強化するには

リサーチを基に初期仮説を立てた後は、検証を重ねる段階に入ります。「仮説→検証」を繰り返す仮説検証のプロセスを経て、意思決定に耐える確度まで高めていきます。

現地の声で仮説をブラッシュアップする

現地の規制変更の背景や、公開情報には出てこない業界の実情を、その市場を知る「現地の声」から取り入れていくことも、仮説をブラッシュアップする有効な方法です。

こうした個別性の高い現地の声から取り入れることができる情報は、公開情報の検索だけで把握することは困難です。こうした一次情報を取得ができることは、AIによる二次情報の整理とは異なる価値を仮説検証に与えることができます。

Speedaのパートナーである東南アジアに特化し現地に根を張ったネットワークを通じてエキスパートサービスを提供している「Sealed Network」でも、多くの企業がニッチな業界・地域の専門家のヒアリングをリサーチに取り入れている事例を聞くことができます。

社外の信頼できるデータが、意思決定の「内向き化」を防ぐ

また、もう一つ見落とされがちな観点があります。AIは利用するたびに、利用者のデータを学習していきます。社内データだけを学習したAIに頼ってリサーチを続けると、議論が内向きになりがちです。

だからこそ、社外の信頼できるデータ基盤や専門家ネットワークなど、AIだけに頼らない情報収集が重要になるのです。

情報収集がやさしくなった今こそ、精度で差をつける

生成AIの普及によって、情報収集と整理そのものは、誰にとっても簡単になりました。だからこそ、そこから先が問われる段階に入っています。どこまで精度の高い情報で意思決定に進められるか、という点です。

AIによる情報収集を否定するのではありません。AIでは埋まらない「判断のための一次情報」をどう確保するか。この問いに向き合うことが、地域戦略の質を左右します。

Speedaは、こうしたAI時代の意思決定を支えるデータ基盤です。アジア各国のマクロ経済から、企業データ、業界動向までを網羅的に提供しています。東南アジアを舞台に事業戦略を描く経営企画の皆さまにとって、AIによる情報収集を、意思決定につながる精度まで引き上げるパートナーになれると考えています。

詳しく知りたい方はこちら → こちら

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